映画『日本以外全部沈没』感想:故郷の土地がなくなっても、人は故郷を捨てられない
えびボクサー、いかレスラー、コアラ課長、立喰師列伝、かにゴールキーパー…
Aさん と行くB級映画ツアーも、なんとびっくり6回目。
いつもは、というかこれまでのは全部、B級映画を愛するAさん(※やや誇張あり)が
どこからともなく情報を仕入れてきては、わたくしをお誘いくださっていたのですが、
今回は珍しく わたくしが仕入れた情報です。
いや、なんか、大学の友人と、「最近観た映画ってナニ?」という話をしていたら、
その友人が、後日わざわざ 「demiさん、こういうの好きでしょう?」 ってメールをくれて…
うん、そうだなぁ…
わたし、正直に答える必要なんてなかったのになぁ… (遠い目)
そんなわけで、観てきちゃいました 『 日本以外全部沈没 』。
ネタバレ込みのつらつら雑感は、「続きを読む」からどうぞ。
意外や意外、かなり面白かったですよー。
■ タイトルだけ見るとB級映画のにほひがぷんぷんする感じですが、なんとこれ、原作は筒井康隆氏なのですね。
公式サイト に、「日本沈没」原作者の小松左京氏と筒井氏のインタビューがあるのですが、両方読むと この「日本以外全部沈没」がどんないきさつで書かれたかが分かって、非常に面白いです。
ていうか、今は亡き星新一先生が引き金だったとは…!
子供の頃、星先生の短編小説に心をときめかせていた身としては、なんだかいろいろな意味で衝撃的です(笑)。せ、せんせ、伏せ字のところはなんて言ったの…!?
■で、そんな愉快なSF作家さん同士のやり取りから生まれたせいか、内容もエスプリが効いていて、非常に面白かったです。あからさまな風刺や毒も含みつつも、きっちり笑える感じ。
最近の世界情勢に物思うところがある人には、特に面白いのではないのかしら(笑)
なにしろ日本がエラくなると、みんな日本に媚びへつらいますから!
あの国もあの国も、「神社」に参拝しちゃったりしますから!
北方領土は日本固有の領土ですから!
でも尖閣諸島はノータッチだったなぁ。
あと、北の某独裁者だけそっくりさんすぎて、ちょっとびびったなぁ(笑)
多分、こういう国際情勢を皮肉った部分は、原作とは大分違っているのだろうけど。
(原作は確か1974年作とかだったはず。うわっ、生まれる前かΣ(゚Д゚))
■でも、なかなか考えさせられるところもあり。
主人公の奥さん(アメリカ人)が、最後に初恋の俳優さんを選んだところなんかは、結構ぐっときました。ぐっときたっていうか、考えさせられたっていうか。
どんな状況になっても、結局人は生まれた国の言葉や、幼い頃の故郷の思い出を、捨てることはできないんだなぁと思ったりして。
藤岡弘、の最期もかっこよかった!
あの役に藤岡さんを選んだのは、まったくもって正しい。
背中でばさっと日の丸が翻ったときなど、「どこから風が!?」というツッコミも忘れて惚れ惚れしてしまいましたことよ!
ラストのオチもなかなかで、見終わったあとも充実感がありました。
いや、久々! シネセゾン渋谷でこんな普通に充実するの久々!
(↑いつもえびとかコアラとかばっかりだから…)
わりと普通におすすめできる映画だと思います。
ご興味のある方は、是非!
Aさんと観たB級映画の過去記事