映画『キル・ビル2』感想:タランティーノ監督はオタクが好む心理描写をよくわかっている
先月観た vol.1 に引き続き 借りてきてしまいました 『 KILL BILL vol.2 』。
前作が スプラッタギリギリなアクションと 間違った日本観と たっぷりのヲタク趣味と
その他もろもろの映画のパロディをごった煮にした 派手なエンターテインメントだったのに対し
vol.2 は どちらかというとしっとり系。
ヒトゴロシを生業とする人間たちの心情が 変に感傷的になることなく描かれておりました。
大ボス・ビルの弟、バドの描き方は特に良かったなー(´▽`)
殺し屋を引退して、場末のクラブで用心棒なんかやってて、かなり落ちぶれてて、
ブライドの件を忠告しに来たビルに 「俺たちは復讐されて当然だ」なんてことも言うんだけど。
いざ迎え撃つときは、徹底的に冷酷にブライドをぶちのめして。
でも棺ごと生き埋めにしたブライドに 懐中電灯を与えてしまったりして。
甘いんだか かえって残酷なんだか 判断しがたい複雑さがたまらなかったです(´▽`)
冷酷な女殺し屋、エル・ドライバーもかっこええ!!
ダリル・ハンナを見るのは 『ブレードランナー』(82年)のプリス役以来なので
最初はちょっと歳月の重みを感じたり感じなかったり(どっちだよ)な感じだったのですが
いやもう。
眼帯に黒スーツで日本刀を振りかざす姿の、美しいこと美しいこと(´▽`)
美しい、っていうか、映えますね。長身なこともあって、すごい迫力。
性格も徹底的に冷血で冷酷で。セリフ回しにも痺れました。
「“おびただしい”って言葉、好きよ。めったに使わない言葉だわ」
大ボスであり、ブライドの元恋人であり、子供の父親でもあるビルも、
文句なく、ええ文句なく格好良かったです。 兄弟そろってなんて複雑な男なんだ…!
ラストで彼とブライドが選んだ結末は、お決まりとは分かっていましたがじーんときました。
ブライドが彼に対しきちんと「決着」をつけたことも、ビルがそれを受け入れたことも、
なんだか嬉しくてたまらなくてね…!
ハードボイルド、かくあるべしか。
最後に『子連れ狼』の伏線を持ってきたあたりも、やるなぁと思いました。
vol.1 ファンからは「物足りない」という声もあるようですが ワタクシ的にはvol.2 の方が好みでした。
タランティーノ監督はヲタクがどんな心理描写を好むのか良くわかってるヨ!
観るならば是非、1と2と続けて観てほしい作品です。
参考:1を見た時の感想