映画『スター・ウォーズ・エピソード3 / シスの復讐』感想:愛ゆえに闇へ堕ちる過程に胸打たれる。だが世界に手すりはあった方がいい。

 

いわゆる 元祖スターウォーズ世代からは ちょっと開きのあるワタクシですが

何年か前に 知り合いとエピソード2を観に行くことになったのをきっかけに

旧作にも新作にも すべて目を通しました。

 

そして今回、旧作と新作の接合点であり、すべての謎が明かされる話である

エピソード3を見終わって、つくづくしみじみ感じました。

 

この世界、文明社会のくせに 手すりの無い場所が多すぎる と…

 

何度 下に落ちそうな体を片手で支えなきゃいけないんですかアナタ!

 

というわけで、ネタバレ込みのツッコミは「続きを読む」からどうぞ。

 

 

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「敵と1対1で対戦中に、高い所から落ちそうになってしまった! なんとか片手で体重を支えているけど、向こうからは敵が近づいてくる! 落ちたら死ぬ! 大ピンチ!!」っていうシチュエーション、アクションものでは定番だと思うんですが、なんかもう何度も何度も同じピンチに陥られると、ちょっぴり微妙な気持ちになってくるんですよ(笑)。ていうか、 「手すりぐらいつけなさいよ」 って言ってあげたい。すごく言ってあげたい。自然の断崖絶壁ならともかく、機械バリバリ配線バリバリのメカメカした建物で、いかにも人が落ちそうな場所に手すりが無いなんて。もっと人にやさしい社会だったら、オビ=ワンもあんなに何度もピンチにならずに済んだのにね。合理性とユーザーフレンドリーは、なかなか共存が難しいようです(えっ、そういう話?)

 

 

■まぁ、そんな斜めにそれた角度からのツッコミはともかく(笑)

内容は非常に見ごたえがありました。アナキンが暗黒面(ダーク・サイド)へ堕ちていってしまう過程が特にすばらしい。愛する女性を失いたくない一心から、闇の力を求めてしまい、弱みに付け入られ、ついには引き返せないところまで行ってしまう。その結果、信頼しあっていた友も、守りたかったはずの女性さえ失って―――せつなく、悲しい話です。

要所要所でダース・ベイダーのテーマが流れる演出もたまらない。

 

■ていうか、ラスト近くでの「パドメは?」にはホントに泣きそうになったですよ(TДT)!!

オビ=ワンに手足を斬られて、全身火傷を負って、満身創痍の体を「あの」黒衣で包んで、われわれのよく知るベイダー卿となったアナキンが、意識を取り戻してからいの一番に発した言葉が、愛する女性の安否を問う言葉ですよ!?

こっ… これが泣かずにいられますかっ…!

 

 

■CG技術は相変わらず精度が高かったですが、やっぱりテレビ画面じゃ物足りない感がありました。冒頭の戦闘シーンも、反乱で首都が大混乱になるシーンも、大きなスクリーンで見たら映えただろうなぁ。もったいないことをしました。

 

ユアン・マクレガーのオビ=ワンは、エピソード2を見た時はその渋中年っぷりにびっくりしたのですが、今回はちょっとズキュンとは来なかったなぁ。ヒゲはとても似合っているんですが(私見)、立居振る舞いがどうしても中年のそれとは違うんですよ。ちょっとした身のこなしとか、仕草とか、そういうところ。やはり中身が若いとそのあたりは難しいのか。

 

■その点、エピソード1のクワイ=ガンは非の打ち所の無い渋中年でしたな(笑)!

オビ=ワンはちゃんと彼に再会できたのかしら。再会シーン、あるなら見たかったな。